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2006年8月 3日 (木)

A子の秘密。

 梅雨明けした仙台、今日はとてつもなく暑かった。例年の東京の蒸し暑さと比べればそれほどでもないと感じたのは、実際そうだったのかそれとも七夕の吹流しが涼しげだったからか、定かではない。事実、混雑した通勤電車の中で、背中を汗がツツツーーーと流れ落ちるような...あの暑さはまだ未経験だ。

 会社で、オレの前には派遣のA子さん(以下、爆睡A子)が、隣りには契約社員のおじさんB衛門が座っている。今日は暑さでボォーーーっとすることもなく、きっちりと冷房がかかっていて快適。だからなのか、この快適空間でおやじB衛門が爆睡。大仏様のように椅子に鎮座し、しばし動かない。

 まさか、死んだのか?
 
 そう思って覗き込んだ瞬間、いきなり目がパチッと開いて「うーん」と唸り、いかにも「今、考え事をしていました」と言わんばかりのリアクションをとろうとする。瞬間、まるで死人が生き返ったかのごとく驚愕するオレ、そして「おっさん、バレバレだぜ!」と心の中でつぶやく。
 こういうちょっとした居眠りというのは、重要らしい。特に、会社にいる間じゅう何かを考え続けなければならない仕事の場合は、"ひらめき" という最期の手段に頼りたくなることもしばしばあるからだ。居眠りの後には、頭がスッキリしてひらめくことが多くなる...らしい。
 目が覚めたおやじB衛門に、「生きててよかった!」とホッとしほくそ笑んだ。間もなく、今度は前方の爆睡A子がコックリコックリ。

 オレ、という客席に向かって、すばらしいコンビネーションで "爆睡" というタイトルの演劇を見せてくれるふたり。

 もしかして、このふたりは付き合っているのか? タイミングよく居眠りをしだすなんて、これは偶然なのか? いや、これは偶然なんかじゃない。もしかして、ふたりの謀略にはめられたんじゃないのか?

 やばい。想像が膨らみ始めた。いかん。今、仕事中だぞと自分に言い聞かせるが、まるでミクロの世界のビッグバンのごとく急速に膨張。すでに妄想と化した想像。お得意の検証を開始するオレ。

 付き合っているのかどうか。微妙だ。しかし、オレが知っている事実がふたつある。
 (1)おやじB衛門と爆睡A子は下手したら親子ほど年が離れている
 (2)爆睡A子は、昨日からここで働きはじめた
 ということで、ふたりが付き合っている! というのは、オレのビッグバンが生み出した虚な想像だ。たぶん。

 で、爆睡中の爆睡A子。揺れる揺れる起きる揺れるの繰り返し。マウスをカチカチッとダブルクリックした直後1秒に、ガクリッと首が落ちる。さては、オレのこと笑わせようとしているな、おまえ。まじめな顔をして...まったく...漫才を見ているようだぞ、爆睡A子。と、かれこれ2時間。

 負けたよ、爆睡A子...。恐るべし、おやじB衛門。or2

 さて、オレも眠りますか...。こやじP助

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