世の中、怖い物があるもので、
地震、雷、火事、おやじ。
オレの場合は、今現在最も怖いのがボタンであります。
ボタン。
えっと、洋服に着いている概ね丸いものが多い、開いているものを閉じるために使うあれではありません。
押すものです。
「私を押して!」と言わんばかりに、様々な場所で自己主張をされておられる、やはり概ね丸いあれです。
銀行のATM横にもありますね、非常ボタン。押したらなにが起こるのか。もしかして、突然上から柵が出てきて閉じ込められるのか、それとも即座に公安に連絡が行き、「手をあげろ!」みたいな感じで警官に取り囲まれるのか。
いま、オレが怖いのは、もっと身近な場所にあります。
そこは、家の中で必ず孤独になるであろう場所。トイレです。
去年やっとウォシュレットいう文明の利器の使い方を覚え、これまでおしりを洗ってこなかったことを後悔しておりました。まぁ、これもつい間違ってボタンを押してしまったことによる偶然の産物だったのですが……。そして今、新たなボタンを発見してしまいました。
マッサージ。
うちのウォシュレットには、洗浄、乾燥などに加えて、マッサージというボタンがあるのです。
便器の奥から手がにゅーーーっと出てきておしりのマッサージをしてくれる。どんなに頭をやわらかくしても、そんな様子しか想像できない。
出てくるのが「手」というのはホラーであり、百歩譲ってあり得ないとしても、なにかが、なにかを、どうにかするわけで…。かつ、「なにかを」の目標物になるのが、無防備にさらした自分のおしりであることはほぼ間違いなく…。
マッサージをされるので、快適かつ、事後は爽快になるのでありましょう。押したらそこには、ウォシュレットで経験したようなとんでもなく素敵な世界が広がっているのかもしれない。しかし、未知との遭遇を果たすためには、相当な覚悟が必要であり、そうやって考えると、ジャングルの未開の地を探検したり、宇宙に飛びあがり地球を眺めたりしている冒険者たちの勇気はいかばかりかと、今更ながらに感服しています。
ウォシュレット………
今まさに、津波の被害による復旧や復興、原発事故の収束。様々な未知の困難に立ち向かっている人がいること。どんな思いでいるのか想像しても想像しても、経験をしていないオレには到底難しいんですが…
マッサージボタンを押してみることに躊躇しながら、そんなことを思ってしまいました。
レベルが違いすぎました……
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